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第3章 少子高齢社会

その後の高齢者施策

高齢者医療費の無料化が昭和44年(1969)東京都でも開始され、岩手県も同46年(1971)に75歳以上、翌47年(1972)には70歳以上が無料化されました。同年4月には全国市町村の93%が60歳以上の高齢者に7割以上給付するようになりました。国の制度としては、国民世論を前に70歳以上の医療費が無料になったのが同48年(1973)です。その10年後の同58年(1983)老人保健法が成立し、一部有料化となります。そして沢内村に倣い、各市町村で基本健診が実施されるようになります。

介護保険制度が開始される前年の平成11年(1999)、沢内村では健康管理課がなくなり保健福祉課が開設されます。介護保険制度が始まると、高齢者を保健・医療・福祉・介護など様々な面から総合的に支援するため、地域包括支援センターが市町村に設置されるようになります。

平成17年(2005)沢内村と湯田町が合併し誕生した西和賀町では、県単独医療費助成事業との整合性を図り、65歳以上の住民は町内の全ての開業医と調剤薬局で一部負担金を徴されることになります。

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長寿社会を迎えて

写真「老人医療無料診療発祥の地 記念碑」

老人医療無料診療発祥の地 記念碑
(西和賀町)

かつて健康、福祉をめぐり、わが国の各地域では先人たちの苦闘の積み重ねがありました。岩手県でも組合医療、国保事業や乳児死亡率対策、高齢者医療に関する施策など、保健・医療・福祉における様々な面で独特な、そして先駆的な実践活動が見られました。

時代は移り変わり、栄養改善、住居や環境衛生の向上、救急医療や受診率の向上、保健指導の効果などにより、日本は世界有数の長寿国となりました。同時にかつてない少子高齢社会を迎え、国の抱える問題、目指す志向も変わりました。例えば今世紀に入ってからの「健康日本21」などの施策では、健康寿命の延伸と生活の質の向上に重きが置かれ、母子保健の施策に関しても、虐待防止など育児のあり方に焦点が移ってきています。社会保障という制度もその本来の意義とは裏腹に、財政や労働力の面などから国民の上に重くのしかかってきています。

しかし、保健・医療・福祉の連携の中、それぞれが健康で文化的な最低限度の生活を享受できる社会を願った先人たちの志は、不朽の精神として後世に受け継がれていかなければなりません。

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