現在位置: トップページ > 児童コーナー催し物ヒント集 > ファイルNo.31「めざせ100首!みんなで百人一首」
掲載日:令和8年11月4日
岩手の読書週間にちなんでの開催ということで、石川啄木や大西民子など、岩手に馴染みのある短歌についての催事を行いたく企画しました。新年ということもあり、百人一首を参考にし、自由に短歌を詠んでもらうことで、普段なかなか触れることが少ないであろう詩歌への関心も高めることが目的でした。
期間の中で、児童コーナー内の壁面に詠んだ短歌を自由に貼ってもらう形式の催事にしました。掲示場所付近のヒントを参考にしてその場で考えても、自宅でじっくり考えても良いこととしたので、参加者の年齢層も幅広く、多種多様な短歌が集まりました。
まず、短歌作成シートの題材を決めます。今回は百人一首を参考にした題材にするので、小倉百人一首から着想を得ました。
本来の小倉百人一首だと「恋の歌」「春の歌」「夏の歌」「秋の歌」「冬の歌」「旅・離別の歌」「雑の歌」と分かれていますが、今回は子ども向けなので、春~冬の四季の歌は変えずに「恋の歌」を「好きの歌」に、「旅・離別の歌」と「雑の歌」をまとめて「何でもOKの歌」にしました。より楽しめるように題材ごとに異なる色紙で印刷しました。(今回はA5サイズに縮小して印刷しました。)
最初から短歌を詠むことは難しい子どもたちもいると考え、四季の歌は書き出しだけをあらかじめ印刷したシートも用意し、気軽に挑戦できるようにしました。






短歌に初めて触れる参加者も多いであろうということを考え、音数に当てはめるだけで短歌が出来上がる「短歌でつかえる!5音のことば」「短歌でつかえる!7音のことば」を作成し、掲示しました。
5音や7音のことばをいくつか提示することによって、ことばの意外な取り合わせを楽しんでもらうことが狙いです。掲示されていることばを1つだけ使い、自分だけのオリジナル短歌を詠んでいる参加者も見受けられました。
詠んだ短歌は児童コーナーの壁面に貼り付けます。見やすいように大きく印刷した催事名と、親しみやすい当館オリジナルキャラクターのイラストを掲示しました。
また掲示場所の近くには短歌作成に取り組めるテーブルも準備しました。そこには短歌シートを置き、「短歌でつかえる!5音のことば」「短歌でつかえる!7音のことば」の他に「短歌づくりのコツ」を掲示しました。
「短歌づくりのコツ」では短歌を作る際には、文字数ではなく音数で数えることや、俳句と異なり季語は必要ないことなどを簡単に説明してあります。ここで作成して貼り付ける参加者もいれば、お家に持って帰ってじっくり作成した参加者も見受けられました。
短歌のことを「この前授業でやった!」と報告してくれた参加者や、保護者の方にルールを聞きながら頑張って取り組む参加者の姿が見られました。そして子どもならではの柔軟な発想力をいかして、面白い歌をたくさん作っていました。中には1人で何首も作っている参加者もいて、ただただ驚かされるばかりでした。
子どもたちだけではなく大人の方の参加も見られました。我が子を思う歌や、少し大人の恋愛の歌など多種多様な歌が勢ぞろい。色とりどりの短歌シートが並びました。
当初考えていたよりも滑り出しが好調で、早い段階でたくさんの短歌シートが並んだこともあり、普段児童コーナーを利用する頻度が少ない来館者の方もじっくり見ている姿が印象的でした。期間の中盤には片面が埋まり、ひっくり返して、図書館の外から見えるようにしたことも要因の1つだったと考えられます。中には普段から歌を詠んでいる方のご来館もありました。
また、貼ってある自分の歌を後日一緒に来館したご家族に見せている参加者もいらっしゃいました。誇らしげに見せている姿を見ていると、開催して良かったなという温かい気持ちになりました。
企画をし始めた当初は、短歌の催事が盛り上がるか不安でした。子どもたちの短歌のイメージは教科書に載っている教材のイメージが強いと思ったからです。しかし、実際イベントとして行ってみれば、楽しそうに歌を詠んでいる子どもたちがたくさんいました。大人では到底思いつかない発想や、面白い日常の出来事の捉え方を間近で感じることが出来た良い催事だったと思います。
反省点は集まった歌を催事終了後も見られるように形に残せなかったことです。参加者からは「イベントが終わっても、参加者が詠んだ歌をすべて見られるようにするのか」という問い合わせもありましたが、今回は集まった短歌を百人一首同様カルタ形式のゲームで使用するなど、本催事の他に使用する旨を事前に告知をしていなかったため、従来の催事と同じく、終了後に一定期間展示することに留まりました。今後同じような催事を開催する際には、事前に他の催事でも使用する可能性がある旨を明記し、集まった短歌を使ったオリジナルのゲームなど、また違った形で鑑賞するのも面白いと思います。