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岩手県立図書館と原敬

掲載日:令和2年1月27日

「平民宰相」と呼ばれ、日本初の本格的政党内閣を組閣した岩手県出身の政治家・原敬は、愛郷心の強いことでも知られています。

その原が郷里のために残した遺産の一つに、岩手県立図書館があります。大正9年(1920)の夏、盛岡に帰郷中だった原は、訪ねてきていた盛岡市長・北田親氏、県知事・柿沼竹雄に、「盛岡に図書館を建ててはどうか」と提案し、これが岩手県立図書館建設へつながりました。この件について、同年11月23日付の北田市長宛ての書簡が残っています。その中で原は、1万円と蔵書の寄付を申し出、また、設計図面に目を通した上で書庫が狭いのでもっと広くするよう助言しています。

図書館の建設は大正10年(1921)6月20日から始まりましたが、その年の11月4日に東京駅で暗殺されたため、原が図書館の完成を見ることはありませんでした。寄付金1万円は遺族によって届けられ、その運用基金は昭和19年(1944)まで当館の図書購入費に充てられました。


「原敬首相より北田親氏盛岡市長宛書簡」(当館蔵)

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